札幌市立大学 SAPPORO CITY UNIVERSITY

リポート一覧

学生広報(インタビュー記事)

【学生広報】札幌市立大学で、待っています。(#03 高橋清伽さん)

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 札幌市立大学でプロダクトデザインを学んでいる高橋清伽さん。特技は演劇で、出演するステージでは毎回ひときわ圧倒的な演技力を放つ。マルチな活躍に通底する創造性は、どんな過去に裏打ちされ、どんな日頃の思いから生まれているのか。彼女の横顔に迫った。
ひねくれ根性に近い冒険心

 遠くへ旅に出てみたいです。できれば海外に。行きたい国は…いっぱいありますけど、ひとつ選ぶならロシアですね。なんとなく、食べものが自分に合わなそうで。ええ。もしくはインド。日本人なら大抵おなかを壊すような、本場の刺激強めなインドカレーが食べてみたいです。怖いもの見たさっていうか食べたさっていうか、そういうひねくれ根性に近い冒険心は常にありますね。

ヘンなことが許される演劇

 いまの冒険心の話とも重なってくるんですけど、自分ではいっつも「ヘンなことがしたい」って思ってます。学生が30人とか40人、静かに作業している部屋で突然立ち上がって踊りたい、みたいな。むしろなんでみんな静かにしていられるんだろう?って思っちゃいます(笑)。

 大学に入ってから、デンコラ(演劇部)に加わって演劇をはじめたばかりなので、まだあまりエラそうなことは言えないですが、演劇の楽しさのひとつって「ヘンなことをしても怒られない」ことだと思うんです。たとえばあるところに、めっちゃ怒ってるひとと、怒られてるひとがいたりすると、すごくちょっかいを入れたくなる。怒ってるほうの口に突然パン粉とか入れたらどんな反応するだろう、って。ほんとうに怒ってるひとの口にパン粉を入れる勇気はないけれど、演劇の場だとそういういたずらが許されるんですよね。そんな感じで最近のステージでも、ヘンな小ネタをちょいちょい挟んでくる役を受け持ちました。「ヨーロッパの火薬庫!」っていうセリフがあったりとか。仲間の反応は今ひとつでしたが(笑)。

良い意味で個人主義的

 中高一貫の女子校出身です。当時、妖怪がすごく好きで、京極夏彦や水木しげるの作品を読みあさっていました。だから進路を選ぶときも最初は、できれば文学部のあるところで妖怪関連のことをやりたいなあ、って思っていました。そんなあるとき、担任の先生からすすめられたのが札幌市立大学だったんです。正直そのときまでは、札幌市立大学の存在すら知りませんでした。でもひょっとしたら、デザインの世界で想像力をはたらかせるのも面白いかも、と思って入学して今に至ります。妖怪からはずいぶん離れてしまいましたが、デンコラに入って最初に受け持った役が「悪魔三姉妹の長女・ルシファー」でした。

 自分も含め、デザイン学部には良い意味で個人主義的なひとが多いですよね(笑)。必要以上に群れない、というか。女子校に6年間いた割には、複数人で連れ立ってトイレに行くこととか最後まで苦手だったので、そういう点では居心地良いです。あと、世間では「尖ったもの同士が集まるとカドが取れて丸くなる」ってよく言うじゃないですか。でも、自分の周りではむしろ「お互いの尖ったところ同士がうまくかみ合って回る」ことが多くあって、それがデザイン学部のユニークなところだと思います。

 もちろん授業も面白いです。今日(取材日)もこれから材料加工の実習です。鉄材溶接します。集中力と根気のいる作業ですが、モノをつくる楽しさがじっくりと味わえますよ。


 

Photo/Writer/Interviewer: Morito NAKAZATO
ひとこと:編集の過程で、「学生広報の記事でやっていいギリギリの言葉選び・ストーリー展開」に、自分なりに挑戦しました。こんなチャレンジができるのも学生広報の醍醐味です。

学生広報(インタビュー記事)

【学生広報】札幌市立大学で、待っています。(#02 瀬川知未さん)

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編入学の試験日は実習期間中でした

 滝川の高看を卒業して、札幌市立大学看護学部に編入学しました。看護の道を意識しはじめたのは中学3年のときで、そのときから保健師を志していました。

 地元の苫前には商業高校しかなかったので、普通科のある羽幌の高校に進学しました。吹奏楽局で副局長を務めたり、真夏にボランティアで着ぐるみを着たり、看護コースと公務員コースと大学受験コースが同じクラスで授業を受けたりしていました。高看に入ってからはひたすら看護の勉強漬けの日々だったけれど、高看では看護師の受験資格は取れても保健師の受験資格は取れない。でもやっぱり地元で保健師になりたい!

 就職か進学かだいぶ悩みましたが、高看の実習期間中に編入学試験のあった札幌市立大学に無事合格し、高看卒業と同時に看護師免許も取得して、2016年の春に札幌に来ました。

 現在、その看護師免許を活用し、小児科のクリニックで看護師のアルバイトをしています。高看時代はアルバイト禁止だったし、長期休暇期間中でないと教習所にも通えない状況だったので、今こうして、時間を自由に使えるのがありがたいと感じます。ただ、一般教養の勉強が、意外と時間がかかってたいへんだけど…。

学部連携に憧れて

 あの、本当は自分、見えないところでひとを支えるタイプなんです(笑)。おおぜいの前に出るのもあまり好きじゃないし。スケジュール管理とか、モノのやりとりの把握とかはもともとやってて得意だったけど、でも自分はリーダーシップをとるようなタイプの人間じゃないなあって。それなのに昔から「しっかり者の瀬川さん」って信頼されることが多くて、それで中学のときも生徒会役員を任されたりしてました。

 最近だと学部連携演習(3年次後期開講科目)でもチームリーダーになりました。あみだくじで(笑)。実はわたし、学部連携がやりたくて札幌市立大学に編入したんです。看護とデザインの2つの視点からモノやコトをつくれるってステキだな、って思って。自分はまだ札幌市立大学の学生になって日が浅いけれど、だからこそあまり自分の専門性や先入観にとらわれることなく、モノやコトをつくる醍醐味を味わえるといいな、と思って臨みました。

 正直それでも最初は「自分編入学だし、おとなしく潤滑油に徹していよう」って思ってたんだけど、グループワークの2回目くらいのときに、あみだくじでチームリーダーに決まって、あっもう自分リーダーだから出しゃばっていいんだ、って(笑)。それからはもう、走り抜けましたね。

 わたしたちのチームでは、地域のPR拠点となる古民家改装型ゲストハウスをみんなでデザインしました。途中何回か雲行きが怪しくなったことはあったけれど、頼もしいチームメンバーに恵まれて乗り越えました。最終報告会でも口頭発表を担当したことで、リーダーとしても良い決着をつけられました。その後のアフターセッションで、感慨深くてちょっと泣きそうになったのは内緒です(笑)。


 

Photo/Writer/Interviewer: Morito NAKAZATO
ひとこと:わたしも「頼もしいチームメンバー」のひとり(?)でした。演習で地域に入ると、その地域の人びとの暮らしの中にある青春に触れることができて、新鮮な気持ちになります。負けてられないな、って思います。

学生広報(インタビュー記事)

【学生広報】札幌市立大学で、待っています。(#01 村松真澄先生)

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看護の世界から30代で法学部へ

 昔、看護師になって仕事も結婚も育児も全力でしていた30代に参加したファーストレベル(日本看護協会の認定看護管理者の教育課程のひとつ)研修で、社会の仕組みを知らない自分に気づきました。それで30代になって大学で法学を学ぶことにしました。

 法学の世界はすごく面白くて、それに専門以外の教養科目もたくさんあったものだから、最終的には卒業に必要な単位数よりも20単位くらい多めに取っちゃってたり(笑)。でも、やっぱりいちばんの収穫は、異なる分野のひとと関わることの面白さを知ったことですね。

 自分の知らなかった専門性に新たに触れて、たくさんのひととディスカッションする。そうすると、逆に自分の専門性がよくわかったり、自分たちがしなければならないことや役割が見えてきたりするんですね。それまでは病室で患者さんの看護に専念している日々だったけれど、たとえば何気ない日常生活の中で他者と関わりを持てることが、実は病気の予防につながる。そんなことも、異なる分野のひととの関わりが気づかせてくれました。

 それに、すこし若い世代にまじって勉強したことが、自分より若いひとの価値観を理解するきっかけにもなりました。このことは中間管理職になって新人教育をするときにとても役に立ちました。大学では、まちづくりも学んだので、その知見をデザインと看護の連携教育に活かすようにしています。

「いろんな自分がいていいんだ」

 看護師になってから、家族で休暇を使って幾度となくヨーロッパへ旅行に出かけています。小さな村や町に滞在して、人々の生活や歴史、文化にふれるのが楽しみになっています。今後は海外に出る時間がなかなか取れそうにないので、国内をプチ旅行してみたいと思っています。読書とか、料理とか、アートを観るのも大好きです。皆さんも現実にどこかの病院や保健所に勤めている看護師としての自分のほかにも、趣味の世界にいる自分とか、いろんな自分がいていいんだと思います。

 ふとしたときに、自分がいまやっていることはこれでいいのだろうか、って思い悩むことが誰しもありますよね。そんなときに、昔からの友人や、いろんなところで知り合ったひとの話を聞いてみると、案外みんな同じことで悩んでいたりする。そうすると、なんだ、みんな同じなんだったらこのままやっていけばいいんだ、って思えて、気持ちが楽になりますよ。また、看護で悩んだら、ロンドンにあるナイチンゲール博物館に行き、「看護とは何か」を自問自答しますね。

社会へ出ていって、そして帰ってきてね

 オープンキャンパスに来てくださったみなさまからは、「学生の表情がキラキラしていてステキでした」と、うれしい感想をたくさんいただいています。でも、誰だってキラキラじゃない、苦しいときがある。

 そういうときは自分の中に閉じこもらないで、大学に来たり友達と話したりして、泣きたいときは泣けばいい。教職員はいつも学生のことを気にかけ見守っているから、話しかけてほしい。自分には見えてないけれど、他人には見えている「自分の強み」が必ずあるから、それに気づいてほしいし、私もそれに気づくことのできる教員でありたいと思っています。

 札幌市立大学は、学生時代に自分がやりたいことを、仲間や教員方を巻き込んで、実現させることができる大学だと思います。何か新しいことをしようとすると、批判するひとはかならずいるけれど、失敗を恐れないで、ぜひチャレンジしてほしい。大学でいろんな経験をして、社会へ出ていって、そしてたまには大学に戻ってきて、後輩や教員に近況報告をしてくれるといいな。


 

Photo: Mayuki KAN
Writer: Morito NAKAZATO
Interviewer: Katsuhiro ISHII
ひとこと:この記事も意外と探りさぐり作っているので、特に「これでいいのだろうか」の辺りの内容は、身につまされるものがありますね…。お互いがんばりましょう。

学生広報(インタビュー記事)

【学生広報リポート】多様な表現が存在するからこそ世界は面白い

Guest:上遠野 敏(かとおの・さとし)先生

デザイン学部デザイン学科メディアデザインコース教授。専門領域は現代芸術の方法と展開、アートマネジメントなど。大学美術部「noumenon」顧問。彫刻家でもあり、過去には札幌駅南口広場のモニュメントの制作も手がけられている。そんな上遠野先生に、今回私たち学生広報スタッフは「自由」というテーマでお話をうかがった。(聞き手:石井

石井:先生の考える自由とは何でしょうか?

上遠野先生:表現の自由、です。・・・話長くなっていい?

interview 取材風景。写真左から順に上遠野先生、編集長三上、石井。

上遠野先生:芸術の森キャンパスを設計した清家清(せいけ・きよし)さんが、この大学の前身校の、札幌高専の初代校長だったんです。そのとき清家先生がおっしゃっていたのは、髪の毛茶色にしようが黄色にしようが、耳や鼻にこんな大きなピアス穴開けようが、自由なんだって。それを尊重できないようだったら表現の自由なんていうものは獲得できないと。すばらしい哲学ですよね。清家先生の考え方は、当時非常に勉強になったし、いまのぼくの考え方の根底にもなっているんですよ。高校だと、たとえば規則があるでしょ。茶髪にしちゃいけないとか髪の毛はここまでとか。でも、そういうものは本当は一切いらないんだって。もうご理解できたでしょ。聡明な君(石井くん)には。

石井:いや、そこまで聡明ではないので・・・。

上遠野先生:アートに関しては、戦中、たとえばドイツだと、ヒトラーが自分の好きじゃない芸術作品を「退廃芸術」と一蹴して、徹底的に排除した歴史もあります。現代の美術は、そういう歴史を克服してできたんですね。つまり人類が表現の自由を獲得してきたというのはそういうことです。表現の自由が守られているから、何をやってもいい訳だし(誰かを誹謗中傷するのはダメだけど)、多種多様な表現があるから、それらすべてを尊重できる。他者の表現を理解して尊重することが、自己への尊重を他者から得られることにもつながるんですね。

interview ほぼ初対面の石井に対しても、親しげな語り口の上遠野先生。

上遠野先生:だけど、良いアートっていうのも、自分の中に本一冊書けるくらいの明確なコンセプトが入っているからこそできる訳です。自己のアイデンティティ、自分は何者であるか、どこから来てどこへ行くのか。自己のコンセプトですね。

石井:自己のコンセプト、ですか・・・。

上遠野先生:高専のときは、明快に自己のコンセプトだけを練る時間を授業で十分取れていたんですよ。でも大学のカリキュラムはどうしても時間に追われているので、そういうことに関しての授業は少ないです。ただ、デザイナーは無から有を生まなければならないので、大学生にはぜひ、自分でいろいろ考えてやってみてほしい。大学の授業っていうのは、あるきっかけを掴むためのものでしかないので、得意なことは自学自習で深めていってほしいですね。

interview アートプロジェクト開催地域を巡回する作品「地蔵車」。現地の方々とパチリ!

石井:先生は地域連携型のアートプロジェクトも手がけられているそうですね。

上遠野先生:地域の方々とは、密接に手間ひまかけて共同作業をしています。ズリ山整備から、お祭り参加、イルミネーション設置と、足しげく通っていろいろやっているからお互いに心が開けるんですね。でもあくまで主役は地域の方々。ぼくらはアートを通じた地域活性化のきっかけづくりをしているつもりです。かつて炭鉱で栄えた町にアートプロジェクトで行くと、そこには炭鉱遺産を「負の遺産」だとお考えの方々もたくさんいます。だからこそ、ぼくらは場の歴史に耳をすまして、遺産のよさをみんなに見てもらえるようなアートに昇華させたいんです。そして、いろんな方々から知恵をいただきながら、遺産を保存して活用する道を開きたいですね。堅い話になっちゃいましたが・・・。

interview 奔別炭鉱ホッパーをアートに昇華させた作品「奔愛」。

interview プロジェクトに参加し、ひとつ屋根の下で共同生活を送る学生も!

石井:最後に、このページを読んでいる高校生のみなさんへのメッセージをお願いします。

上遠野先生:ひとに何かをしてあげたい、という気持ちがあるひとに来てほしいですね。おせっかい、とまでは言わないけれど、それがデザインとアートに共通するココロなので。だからアートとデザインは別々じゃないんです。それから、絵が描けなくてもデザイナーにはなれますよ。まちづくりなど、いろいろなデザインの方法があるので、わたしは絵が描けないからデザイナーに向いていない、とは思わないでほしい。むしろ大事なのは、頭の中にどれだけのビジョン(展望)を描けるかです。あとは、自分の得意なこと、武器になるものを持っているといい。それこそ、好きなものについて本一冊書けるくらいの好奇心があれば、デザイナーにでも何にでもなれると思います。がんばってください。

武器って言葉、好きじゃないけど。武器に代わるいい言葉、ないかな・・・。


書き手・撮影:中里 森人(なかざと・もりと)撮影:内海 亜沙美(うちかい・あさみ)

タイムキーパー:菅 真佑紀(かん・まゆき)

聞き手の補佐:三上 拓哉(みかみ・たくや)

聞き手:石井 勝大(いしい・かつひろ)

《編集後記》

芸術の森キャンパスって、ミスコンがないんです。でも、それって良いことだと思っています。大学のミスコンって、いわば生身のヒトを欲望の対象として商品化して消費し尽くすだけの営みで、ちょっとむなしいと思うんです。だけど芸術の森キャンパスには、代わりにひとりひとりがコンセプトを育てて、自分だけの作品をつくりだし、互いの作風を尊重する気風が充ちている。そうするともう、ミスコンっていらなくなるんですね。別に世界中からミスコンがなくなればいい、というつもりはないけれど・・・これはこれで、ステキだと思いませんか?

編集後記でこんなこと書いて怒られないかな・・・。(書き手:中里

学生広報(インタビュー記事)

【学生広報リポート】自分たちの「つくる力」を信じてつくる大学祭

DSC_0291増井 洋輝(ますい・ひろき)さん
平成27年度大学祭実行委員会委員長。デザイン学部コンテンツコース2年生。
恋にバイトに学業に勤しむ、いわゆる「大学生」な増井さんにお話を伺いました。

石井:最初にお聞きします。大学祭実行委員だから出来る「自由」とはなんですか?

左:インタビュー対象の増井さん 右:インタビュワーの石井
増井:やりたいことをやれるってところですね。実行委員でしかできない規模で、やりたいことをやれるんです。全力で好きなことに取り組める「自由」が手に入るのかな、と思います。
コンセプトが絡んでくるんですけど、ひとつひとつの制作に重きをおいて、より良いものを作っていけるのかなって。

石井:大学祭にコンセプトですか?

増井:僕が昨年度も実行委員としてやってた中で、「これは良かったから続けよう」、「ここはこうした方がいいかな」と思ったところを元にして、今年度はコンセプトを決めたんですよ。
具体的にはコンセプトは2つあって、ひとつは外側、学祭の表面に出る部分ですね。もうひとつは内側で、学祭の運営・企画の方のコンセプトです。
まず外側、見せる方のコンセプトなんですけど「粒単位でクオリティを高める」。

石井:ひとつひとつの企画をより良くすることで大学祭全体を高めていこう、ということですね?

増井:そうです。
これは昨年度の学祭を参考にしてて。その昨年度の方針って言うのが「量を用意して、全体の雰囲気作りをする」って感じで、校内の装飾とか質より量を重視して全体にまんべんなくやってたんです。「ちょっとクオリティ下がっちゃっても、全体の雰囲気が作れれば良いかな」みたいな。
で、僕が今年度実行委員会の委員長になった時に「去年度のやり方だと高校の学祭の規模がちょっと大きくなった、くらいにしかならないな」と思って、同時に「デザイン系の大学ならもっと技術レベルも高いはずだ」って考えたんですね。それで規模が小さくなってもクオリティを高めていくことで、来場者の皆さんがひとつひとつを見て満足してくれたら良いなと思って、今年度の方針はこういう風に決めました。

石井:委員長の目線からすると、このコンセプトの達成度は?

増井:やっぱりアンケートの結果を見ると、一長一短だったとは思いますけど、僕はコンセプト的には成功かなって思います。
デザイン学部の中には、単独で能力を持ってる人って結構いるじゃないですか。そういう人たちがひとりでひとつ良いもの作ってくれたら、光るんじゃないかなと思ったので、「粒単位でクオリティを高める」っていうのは良かったと思います。

石井:次は内側のコンセプトについて教えて下さい。

増井:内側は、あの……、ぶっちゃけ昨年度の運営はちょっと非効率的かなって僕が思ったところから来てます。
アナログだったんです。紙で書いて、紙に印刷して、配って。
だからコンセプトは「デジタル化」というか、パソコンとかを使ってすぐに情報のやり取りや連絡ができるようにしたり、っていう部分ですね。これも、まあ、良いところ悪いところあったんですけど、でも結果として印刷代の削減もできましたし、デジタルだから一瞬で資料の共有もできましたし。積極的に「デジタル化」するようにしました。

石井:学祭全体の雰囲気作りや、組織の運営などで色々と改革を行った増井委員長ですが、自身からすると委員長生活は成功といえますか?

増井:ん~~~と…そうですね……、前半失敗して後半持ち直した、ってところですかね。
前半何に失敗したかって言うと、委員長に慣れてなかったんですね。委員長って責任者じゃないですか。責任者が下働きしてちゃ駄目だった、っていう話ですね。
なんで駄目だったかって言うと、実際にどこかへ行って物を作ったりって作業してると、ひとつのことしか見えなくなるんです。周りが見えなくなる。「これはリーダーがするべきことじゃないな」って気付いたんですけど、気付いた頃にはもう仕事が他の人に回ってなくて…。「この人遅れてる」、「この人のところが大変だ」とかってやっと分かって。それと、自分の体が保たないんですよ。キャパオーバーです。それで、実行委員会内の友達に助けてもらいながら、全体に気を配るように気を付けて。そうやって後半立て直した感じですね。

石井:委員長がしっかり身に付きましたね。

増井:そうですね。コース分けの時にコース代表なんかも任されちゃって(笑)。
大変でしたけど、委員長やって良かったこと沢山あるんですよ。人前で話すからプレゼン力付きますし、嫌でも話せるようになるというか…。

石井:嫌だったんですか?

増井:最初は嫌でしたね(笑)。あんまり人前で話したりする立場になったことなかったんで。
委員長になったのも、誰もやろうとしなかったから、くらいの感じでしたから。
まあでも、今は委員長とかになることに対しての抵抗はなくなりましたね。「上の立場に立つ旨み」みたいなものが分かったんで。プレゼン力が付いたとかもそうですけど、人の動かし方を学んだり、あとは単純に顔が広くなったり。

石井:委員長を満喫してますね。今度は普通の実行委員のことも聞かせてもらいたいと思います。
学祭実行委員だからこそ楽しい、学祭の楽しみ方を教えて下さい。

増井:実行委員だと、当日もそうですけど準備期間が楽しいですね。
結構みんな実行委員会に入る理由が「やりたいことをやるため」なんですよ。
例えば、「ポスター作って広報活動したい」とか、「学祭の予算を使って、自費では作れない大きなセットを作りたい」とか。1人がアイデアを出してみんなで作ったり、1人で作りたい人は1人でやったりもしますし、自分のやりたいことがすごくできるんですよ。

石井:今年度は、お菓子の家なんてものを作ってる人もいましたね。

増井:そういうのも1人では作れないですよね。
もちろん、やりたいことの他にやらなきゃいけないことっていうのもあって、みんな結構大変だと思いますけど、やりたいことやってる時はすごく楽しそうにしてますね。
個人活動として何か作るより、「大学祭で作った」ってインパクトもありますから、作るのも気合が入りますし、あとは実績として残るのもいいですよ。そういう意味でも、学祭実行委員会に入る価値はあるのかなって。

石井:やりたいことに挑戦できて、充実感も得られる。大学祭実行委員会は楽しそうなところだということが分かりました!増井さん、ありがとうございました。

割とノリのいい増井さん、ピースで取材を締めくださいました。
石井:最後に、次期委員長より来年度への意気込みを伺ってきました。

学校祭実行委員会デザイン学部委員長の廣林大河です。
学校祭は今年で11回目を迎えます。
今までの10年で培われてきたものや伝統を受け継ぎつつ、新たな学校祭をデザインできればと思っています。
また、実行委員会としては常に委員が楽しんで作業を進められ、学年問わず誰もが発言できるような雰囲気の組織づくりをしていきたいと考えています。
学校祭では在校生や教授の作品の展示、よさこい・演劇・ダンスなどのサークル発表、様々な模擬店、参加型の企画があったりなど活気に満ち溢れていて高校生の皆さんに楽しんでいただける内容になっています。
オープンキャンパスと同日開催となっていますのでオープンキャンパス終了後にふらっと立ち寄って楽しんで行っていただければ幸いです。よろしくお願いします。

インタビュー・記事編集:石井 勝大(いしい・かつひろ)
写真撮影:中里 森人(なかざと・もりと)

《編集後記》
僕自身は去年度の学祭を知らないので、どれだけ変わったか分からないというのが本音ですが、それでも確かに今年度の学祭は全体に盛り上がりのある楽しいものだったと感じました。
取材をしてから思い返してみると、増井委員長の思い入れや頑張りが活かされていた部分が思い当たりますね。入場門なんかは楽しげで良いものだったように思います。
デザインを学べる学校だからこそ、大々的に制作活動ができる大学祭実行委員会は魅力的に感じられますね。
さて、廣林次期委員長はどんな学祭を作ってくれるのか、ワクワクです!作る側の皆さんも、見る側の皆さんも楽しみですよね。来年度の大学祭に期待!!(石井)
学生広報(インタビュー記事)

【学生広報リポート】自分で何かをやらなきゃ何にも繋がらない

園山 茉生(そのやま・まい)さん デザイン学部デザイン学科メディアデザインコース2年生。園山さんの素敵な作品はこちらの個人のホームページからも見ることができます。課題や個人制作で積極的な活動をしている園山さんに大学生ならではの自由や楽しさについてお話しを伺いました。

:高校と大学では自由にできることの差があると思いますが、園山さんにとって大学生活における「自由」とはどのようなことですか?

取材風景 取材風景(左:園山さん、右:菅)

園山:やっぱり、自分で何かをやらなきゃ何にも繋がらない。高校生の頃は与えられた授業やテストをどんどんやれば受験に繋がったけど、大学生でこれから何かを自力でやろうと思ったら、普通に生きてても何も起きなくて。それがすごく難しいけど自由さかな、と思います。
で、その中で自分にはこの才能ないなとか、これできないかもとか、できないかもしれないけどやりたいからやろうとか。全部数字化されない分、全てが自分の意思決定に委ねられてる感じがします。大学生がゴールじゃなくて、就職や卒業後の活動に繋げたい。そのためには自由さを生かして、自分なりに動かなくちゃいけないっていうのが大学生ですよね。

:そんな大学生活の中で高校生の頃とは違う楽しみはありますか?

園山:純粋に年を重ねたからできることがすごく増えました。高校時代みたいに門限がある訳ではないから、寝ないで何かをやるとか、24時間を自分の好きなように使えるようになったのが今までとは違う自由さです。そういう時間的な自由さの他には、何か別の活動を大学以外でやりたければ、身一つで「はい、やります!」って言えば、「いいよ」ってなる。高校生だったらまだ18歳未満だから何かと許可が必要だったり、学校より外の世界に行きにくかったりしますけど。例えば旅行にしたって、親に何も聞かなくてもクリック一回とクレジットカード番号を入力すればチケットが取れる訳で。そういう自分の思いのまま、みたいなところが大学生にはあって全然違うなと思います。あと、関わる人とかも、「この人と関わりたい!」と思ったらそこに直接会いに行けばいいし。いろんなコミュニティーがあるのも大学生ならではの楽しさだと思います。

:最近の個人制作ではどのようなことをしていますか?

園山:私は3月に初めての個展を開催するので、その準備をしています。フランスのパリがすごくすごく好きで、それをモチーフにしたものを今作っている最中です。

個展「私のParis」のDM 個展「私のParis」のDM

:具体的にはどういう展示になるのですか?

パリでのスケッチ パリでのスケッチ

園山:こういうイラストやコラージュをたくさん展示します。旅が大好きで、旅行すると旅ノートを書くので、それも一緒に展示しようかなと思います。あとはフランスで撮ってきた動画を編集して壁に映したり。
タイムリーなことだとパリでテロがありましたよね。いろいろ大変なことがあるけれど変わらずに楽しむ姿勢がすごく素敵で立派だと思ったから、自分が単にパリが好きだっていう気持ち以外にも、そういうテロの関係のことも少し意味深に持たせつつやろうかなと思ってます。

:個展楽しみにしています。ちなみに、将来やりたいことは決まっていますか?

園山:実は決まっていないんです。ただ、今後どうなるかはわからないけれど、なんらかの形で創作のようなことはしたいです。

:絵本作家に興味があると噂に聞いたことがあるのですが…

園山:うーん、私は絵がすごく上手というわけではないけれど、物語性のあるものが好きなので、それに特化して絵本に興味を持ったこともあります。実際絵本もすごく好きだから、絵本作家もとてもいい将来だと思います。でも、物語性ってわりと色々なものにありますよね。例えば、雑誌編集だって雑誌に物語性を持たせて提供することもできるはずです。自分が知らないだけでたくさんの職業があるはずだから、どんどん知っていろんなことをやってみたいなと思います。

制作風景
制作風景

:最後にデザイン学部を目指している高校生にメッセージをお願いします。

園山:デザインをやりたいんだったら入っただけでは満足できないな、と毎日思ってます。勉強して実習を積んで国家試験に受かって…という分野でもないので、自分から行動するのが大事です。厳しい世の中だけどいろんなことに挑戦して頑張って下さい。
あと、高校生は大学生になったら旅をしたら良いですよ。だって社会人になったら長期休暇なんてないんだし。いろんな世界を見るのは楽しいですよ!



インタビュー:菅 真佑紀(かん・まゆき)
撮影:内海 亜沙美(うちかい・あさみ)

編集後記
私も絵を描いたり、何かを作るのが好きです。がしがし活動してる園山さんとお話ししたことで良い刺激がもらえたのか、取材後は創作意欲が高まりました!旅好きという共通点が見つかったり、デザインを学ぶ者としての考えを聞けたりと、楽しく為になる取材でした。せっかくの大学生活なのだから、目的をもって時間を大切に使わなきゃいけないですね。