札幌市立大学 SAPPORO CITY UNIVERSITY

研究紹介

使いやすさと 遊び心が生むワクワク感

誰もが幸せになれるモノ・コトづくり

私はデザイン工学の分野で最先端の技術によるモノづくりを追究していましたが、車イスを制御するプログラムの開発がきっかけで、障がい者の方たちと出会いました。そこで「身近なことでも一緒に楽しむ」ことで、人は幸せを感じるというシンプルな原則に気づきました。それ以来、私のテーマは「誰もが幸せになれる、ワクワクできる」モノ・コト・場をつくることです。たとえばイベントで、参加者からワクワクする気持ちをどうしたら引き出せるか?その仕掛けをデザインしています。重要なことの1つは、「あいまいさ加減=完ぺきではないこと」。「何が起きるか想像できない。これをやったら、どうなるんだろう」というワクワク感ですね。

2019年に行われた札幌市立大学公開講座「Connekid! in そらのガーデン2019はっぱっぱ」では、森をテーマにアタマとココロとカラダを連動させる複数の遊びを実施しました。その1つに影絵の遊びがあり、そこでは葉っぱに見立てたパーツを渡し、それを使って影絵を作ります。最初はとまどっていた子どもたちも、影が映ることに慣れると、映り方を変化させていきます。その影を学生たちが写真に撮り、森の絵に張り付けていきました。子どもの創作意欲を刺激した良いケースです。
障がいのある方やそのご家族、支援者のイベントで、透明のネットを張ったスペースを作り、その網目に毛糸をひっかけてもらったこともあります。すると、Aさんがひっかけた毛糸を見て、Bさんが別の毛糸をひっかける。そうした連鎖反応が起きました。普段はコミュニケーションが苦手な方たちも、行為を媒介にして、コミュニケーションが図れたのかもしれません。

こうしたイベントを企画し、運営することは、教育の一環でもあり、学生たちがアイデアや技術を出し合いながら作っています。やってみると、子どもたちが遊んでくれない、想定と違う遊び方をするなど、様々な結果が出ます。それを評価して、学会で発表もします。ワクワクする気持ちを高めるように勉強し、行動してください。きっと色々な困難を乗り越えられます。

デザイン学部 人間空間デザインコース 講師 小宮 加容子

近畿大学大学院産業技術研究科にて、博士号取得。
湘南工科大学工学部機械デザイン工学科 助教を経て、2009年より現職。

研究紹介一覧へ