札幌市立大学 SAPPORO CITY UNIVERSITY

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看護学部教員 卯野木健教授の研究が「PLOS ONE」に掲載

札幌市立大学看護学部教員、卯野木健教授の研究が科学雑誌「PLOS ONE」に掲載されました。

「PLOS ONE」は2006年からPublic Library of Science社より刊行されているオープンアクセスの査読つきの科学雑誌であり、オープンアクセスジャーナルとして、世界最大級の論文掲載数を誇る雑誌である。

掲載する研究のテーマは、「集中治療を受けた患者の1年後の集中治療後症候群の罹患率とリスク因子:12の日本のICUにいける多施設共同研究(SMAP-HoPe study)」(Prevalence of and risk factors for post-intensive care syndrome: multicenter study of patients living at home after treatment in 12 Japanese intensive care units, SMAP-HoPe study)である。

集中治療は患者の救命を唯一の目標として医療を提供してきた。しかし、医療の進歩とともに救命率は向上し、助かった人々がどのような症状を持ち、どのような生活を送っているか、という観点も注目されつつある。海外での研究では、集中治療を受けた多くの患者に、筋力の低下、PTSD、不安症状などがみられる。このような、集中治療中、集中治療後に起きる症状は、集中治療後症候群(PICS)と総称される。
PICSは患者のQOLに影響を及ぼす重要な問題であるにも関わらず、日本における研究は進んでおらず、特に大規模な調査が不足していた。
そこで、日本の12のICUと共同して、日本におけるPICSの現状を明らかにした。対象患者はICUから退室して1年後の患者である。分析対象患者は700人を超えており、現時点で国内最大の研究である。
結果、うつは海外と同程度、不安やPTSDは比較的少ないとの結果を得た。しかしながら、3人に1人が何らかのメンタルヘルスの問題を抱えていたことが明らかになった。また、予定手術などの入院と比較し、緊急入院でPTSDのリスクが上がることも示した。本論文は、日本での初の大規模調査であること、また、看護師を中心とした多施設共同研究は未だ多くなく、その点でも注目に値すると思われる。
 

「PLOS ONE」公式サイト: https://journals.plos.org/plosone/

掲載ページ: https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0252167