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札幌市立大学の先進性

innovation

SCUビジョン

デザイン研究科では、2010年の開学以来、地域社会における多様で複雑な課題を解決する研究を推進して参りました、最近では、看護学研究科との連携によるAIを活用した「DNA(デザイン×看護×AI)研究」に拡がっています、その一例として、札幌市内の高齢者を対象に「配車・乗合システム」による移動、住まいの熱環境調整、災害時の避難行動などをAIによって支援し、暮らしに対する安心・悦び・生きがいを創出する先進的な研究に挑戦しています。

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デザイン研究科長
齊藤 雅也

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SCUは開学以来「人」を中心に、看護とデザインが共同で研究を推進し、様々な製品やシステムを開発してきました。専門分野に精通した教員が、院生と共に高度な研究手法を駆使し、看護の将来を見据えた看護の再構築やシステム開発に取り組んでいます。最近ではAIが加わり研究の可能性が更に広がりました。看護診断や看護のリスク予測にAIを活用する研究はすでに始まっています。研究成果を臨床で実用化する日もそう遠くないかもしれません。

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看護学部 教授
菊地 ひろみ

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代表的なDNAプロジェクト

テーマAI技術を活用した生活支援サービスによる、高齢者の自立促進と
生きがい創出に寄与する「札幌もみじ台モデル」の構築

日本全体の大きな課題である高齢化に対して、本学はデザイン・看護・AIの連携(DNA)によるアプローチを図りました。

都市部で急激に増加している高齢者の社会的つながりの薄さは、生きがいの喪失や自立の低下などをもたらし、今後さらに加速すると予想されています。その要因の1つに、加齢による歩行困難や自動車免許の返納などによる日常の移動交通手段を失うことが挙げられます。

そこで本学は、高齢化の進む札幌市厚別区もみじ台団地と周辺に住む高齢者を対象として、AI 技術で持続的なケアの方法を構築し、訪問看護・外出移動を主とする生活支援サービスの提供によって、自立促進、生きがい創出の実証をめざす「札幌もみじ台モデル」の構築に取り組みました。

この「札幌もみじ台モデル」の構築に向けて、現在も取り組みを進めています。

SCUビジョンのイメージ画像

Maasの説明アイコン

MaaS ってなに?

MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)は、便利な交通手段を一つにまとめて提供するサービスです。スマートフォンやタブレットを使って、電車、バス、タクシー、自転車など、さまざまな交通手段を探し、予約することができます。

取り組み内容のPoint

Point1

AI が移動の最適ルートを教えてくれる

AI 技術による MaaSを運用し、高齢者の外出行動を促進。MaaSは路線や時刻表による運行の制限を解消し、移動したい時に移動先への最適ルートをAIが割り出す移動サービス。高齢者の移動負荷を軽減し、外出行動を促す効果が期待できる。
Point2

移動時間の短縮は訪問看護の質も高めてくれる

「訪問看護 MaaS」の実施。今後、訪問看護師の養成や確保が難しく業務量が膨大になることが予想される。移動時間の短縮による訪問先での滞在時間の確保によって「心の状態」や「いきがい」の増進によりサービスの質・量の向上に繋げる。
Point3

気のあう仲間と便乗してお出かけが楽しくなる

訪問看護サービスを利用する高齢者とその家族を対象として外出を支援する「お出かけ MaaS」を「訪問看護 MaaS」と組み合わせる。MaaS に使用する車両の空車率を減らしつつ、乗り合いを促し、乗車履歴に基づいた利用者のマッチングを図る。気の合う仲間との便乗率を上げ、外出頻度が高まる。
Point4

1年を通した快適な住環境づくり情報も教えてくれる

もみじ台団地は建物・地域暖房の老朽化と住民の高齢化が進み、冬期は上下階で大きな室温差がみられ、夏季の熱中症や冬季のヒートショック発症のリスクがある。そこでヘルスケアとしての住環境情報を提供し、発症リスクを低減する。
Point5

状況に応じた災害時の避難方法も教えてくれる

災害発生時の高齢者の避難遅れなどの高い被災リスク低減のため、AI技術によって最適化した災害・避難情報の提供によって高齢者自身の「災害想像力」の養成を目指す。

越えてきた軌跡

本学が過去に行ってきた主要な先進事例

2006年
4月

「人間重視を根幹とした人材の育成」「地域社会への積極的な貢献」を教育上の理念とした札幌市立大学開学

 札幌市円山動物園などの札幌市との連携も開始しました。

2008年

「質の高い大学教育推進プログラム(教育GP)」の採択

 客観的臨床技能試験 (OSCE:Objective Structured Clinical Examination)を用いた到達度評価の導入に着手。客観的成績評価を目的としたOSCEを志向するだけではなく、看護実践能力を育成することに主眼をおいた「育てるOSCE」に着手しました。現在も毎年度OSCEを実施しています。

2010年

札幌市立大学デザイン研究科、看護学研究科(博士前期課程)開設

2012年

札幌市立大学デザイン研究科・看護学部研究科 博士後期課程 開設

蓮見 孝 理事長・学長 就任 開設

 教職員や学生をはじめ、大学に関わるさまざまな支援者の参画による、<未来社会をリードする魅力的な公立大学としてのプレゼンス(将来にわたっての「あるべき姿」)の確立>」を掲げました。(第二期経営戦略より)

2013年

2017年

文部科学省 「地(知)の拠点整備事業(大学COC事業)」の採択

異分野連携教育の拡充と地域志向の強化によるカリキュラム改革

「スタートアップ演習」「学部連携演習」により地域を題材として演習の実施などが開始しました。地域に密着した「まちの健康応援室」の開設しました。

タイム・スペースシェアリング型地域連携による地域創生デザイン研究

ウェルネス×協奏型地域社会の担い手育成「学び舎」事業

2015年

日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A)採択

「タイム・スペースシェアリング型地域連携による地域創成デザイン研究」

 市町村と大都市の双方における暮らしの質の維持、および魅力創出のための手法の構築を目的として様々な研究を行いました。その結果、地域創生へのTSSの有効性の確認、地域創生のキーとなる要素の抽出や、ステークホルダーの役割についての指針等を示しました。

2018年

中島 秀之 理事長・学長 就任

札幌市立大学研究・活動事例集2019

2019年

札幌市立大学AIラボ設置

 AIの力を活用し、現在、札幌が抱える課題にいち早く取り組むことで、多くの人々がAIによる生活環境の変革を実感できる、札幌に暮らす誇りと満足感をもたらし続ける未来のまちを目指します。AIを活用したごみ収集作業の最適化、除排雪の効率化に関する研究を実施しました。

2021年

日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A)採択

「AI技術×ポジティヴヘルス増進による社会的つながり創発モデルの実証」

 この研究では、高齢化の進む札幌市厚別区もみじ台団地とその周辺に住む高齢者を対象として、ポジティヴヘルス増進の視点とAI技術を掛け合わせた訪問看護・外出移動・住環境調整・災害避難に関する生活支援サービスを実施し、自立促進・生きがい創出、社会的つながりが創発されるかを実証し、立促進・生きがい創出、社会的つながりの創発を目指します。

AI技術×ポジティヴヘルス増進による高齢者の社会的つながり創発モデル

2022年

札幌市立大学AITセンター設置

 AIが社会・生活を変えつつある中、本学では人工知能研究の第一人者である理事長・学長中島秀之を中心に、「D×N」をAIにより下支えしていく。「DNA」(ディーエヌエー)を新たなモットーとして更なる発展を目指しています。