- {{ tag }}
{{ news.other_tag }}
MENU
デザイン
メディアアートに留まらず、自然の原理理解のためのシミュレーション、新しいメディアの開発や製品への応用、人との結び付きなど幅広い領域に展開。統一的な関心事である「持続性」を生み出すメカニズムを、多方面から実践的に探究しています。それら先進的な研究の具体的な活動について紹介します。
こちらの「cellroid(※)」をご覧ください。
cellroid | work1 (fujimori.website)
3種類の色の円(個体)が、シンプルな4つのルール(アルゴリズム)だけで秩序を保ちながら複雑な動きを続けていきます。個体の動きは、たとえばイワシや鳥の群れのようにも、アミノ酸の構成を決める塩基配列(DNAの二重らせん構造)による組織形成のプロセスのようにも見えるかもしれません。
複雑な現象を単純なルールで再現することは、人間や生命の理解にもつながる可能性を秘めています。このように構成論的(作ることでその背後にある原理を探るアプローチ)に「持続性」をもたらす原理を探求することが、私の研究テーマです。
知覚や認識を揺さぶるようなアルゴリズムを開発した作品は、身体についての可能性や面白さを発見するものになりました。ゲームという形で、アイデンティティ(私が私であるということ)の持続性をもたらす原理などをシミュレーション的に、あるいは実践的に理解できます。
たとえばP055E5510N10 | work1 (fujimori.website)では、体験している子どもが、それまで体験者の位置と同定していた音と映像がある瞬間からズレを生じさせることで「あれ、わたし、どっかいっちゃった」と言っているのが印象的です。Possesionは英語で「憑依」も意味しています。
近年、問題解決から問題提起のデザインが登場しています。一方で、私の場合は問題を投げかけると共にそこから発見を導くデザインであると言えるでしょう。
作品はCGに限りません。見る角度によって色が変わるというアルゴリズムを3Dプリンターで造形した作品もあります。

3D View dependent Color | work1 (fujimori.website)
この「3D View dependent Color」は、透明なアクリルの球の底面に着色してあり、見る側の視点の移動や光が入る方向の変化によって、物理的に色が変わる仕組みです。システムや電気エネルギーを使わず、光の屈折や部分的な拡大を応用しています。ネオンサインの代わりや、インフォメーション・ナビゲーションにも応用できそうです。見る距離によって絵が変わるものも作れるので、交通標識にも役立つかもしれません。あるいは、現実的には有り得ない現象を感じさせる表現にも応用できると考えています。
これは、技術として新しい可能性があるというだけでなく、単純な仕組みから新しい現象を生み出す、つまり、日常の中で気づいていないところに発見を見出すという意味でも先進的と言えるかもしれません。
また、私は「フジ森」というユニットを作り、市内の小学校で「おとどけアート」という活動もしています。触れる、体を動かすということを通じて、関心や認識、主体性が触発されてくる。そんな体験をしてもらうことが目的です。
子どもたちは私たちの作品を面白がってくれますが、時にはスルーしたり、途中で飽きたりもします。そうすると、アルゴリズムのパラメータ(変数)を変えてみることもありました。これは、体験する人と作る人の間で開かれたデザインになっているということでもあります。また、子どもたちに体験をとおして(なんらかの)アルゴリズムによって作られていることを知ってもらえます。
今までのアートは、作品ができたら自分から切り離されてしまう。でも、このように相互作用が起き、しかもそこから子どもたちの可能性が刺激され、開かれていくのもアートのあり方です。そして、子どもたちがここから、従来的なアナログ表現に限定されない、自分たちの自由なアートをつくるきっかけとなることを期待します。こうした活動が、持続的に展開されるアートに繋がると考えています。
国内のメディアアートは現在、閉じられた世界、作家の世界の表現で完結する作品が多い傾向があります。私はインタラクティブな作品で社会とつながり、変化を引き起こすというところにも独自性を見出したいと思っています。つまり、実践的な変化の創出です。
研究テーマに「持続性」の探求があるとお話しましたが、それは決して変わらないことを指すのではなく、変わり続けることで存在し続けることを意味しています。
私は2024年に開催される札幌国際芸術祭に参加し、「未来の教育」をテーマにワークショップを監修・技術協力する予定です。地球という環境の持続可能性が問われる中、個(個人)としても、種(人類)としても、持続はいかにして可能なのか。教育はそのために何ができるのか。ワークショップの体験を通じて一つの答えを出せればと思いますが、他方、その答え自体が、常に更新されていくものだと考えています。人間は観測できる範囲でしか原理は導けず、一方で導いた原理から観測の範囲が開けていけます。デザインに限らず、すべての学問がそうした絶えざる追求だと思います。
※第20回文化庁メディア芸術祭アート部門推薦作品(https://j-mediaarts.jp/award/single/cellroid/)
{{ news.other_tag }}
関連記事は見つかりませんでした。